子育て・生活情報の総合サイト「レタスクラブ」で17日に「『毒メシ』をやめて子供の成績アップ!」という記事を発表しましたが、記事を目にした人から懐疑的な意見を聞くようになると直ちに記事を削除し、謝罪文を発表しました。
レタスクラブの利用者は子育てや教育などに関わる主婦層を中心のターゲットとした情報発信を行っているメディアですが、この記事は「科学的根拠がなく、間違ったことを発信している」として炎上しました。
この記事ではレタスクラブの「毒飯」がどのように一般消費者や市場に影響をもたらすのか、また発表された謝罪文も消費者の満足のいく内容ではない点と理由について解説していきます。
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【毒メシ・毒飯でレタスクラブ炎上】科学的根拠なしで唐揚げを否定
レタスクラブが掲載した(現在は削除されている)記事によれば子供が授業中収集することができなく学力向上の妨げになる「毒飯」について、どのような食品かを挙げないままでも、下記のように説明しています。
「腸や脳に炎症を引き起こす」「血糖値のコントロール機能を破壊する」「体から栄養を奪い取り、毒を与える」
(引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/4ce6b555317dc31e06088f6a0d7c3734f71749b9)
上記の3点にあてはまる「毒飯」とされる食品については
- 牛乳やヨーグルトなど多くの「乳製品」を含むもの
- マグロなど「水銀」を含む大型魚
- 菓子パンやチョコレートなど「トランス脂肪酸」を多く含むもの
などもあると記事に記載されていました。
なぜ唐揚げがピンポイントで毒飯代表になったかにについては、「毒飯」と「子供の学力向上」について、授業中に集中できていない子供のお弁当に毎日唐揚げが入っている事を担任の先生が指摘したところ、「だって唐揚げ大好きなんだもん!」と子供が答えたことから始まります。
記事の中の漫画ではその後子供の母親がお弁当の内容を変えることにより、2週間後には熱心に子供が授業に食いついている様子が描かれていました。
実はこの記事は9月17日に販売される「子どもが天才になる食事 2週間で脳が生まれ変わり成績アップ!」(税抜1,540円)という本を販売促進したもので、レタスクラブ程ではないものの著者や監修を行った人物に焦点があてられています。
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『毒飯』記事の著者は菊池洋匡氏、菊池則公氏、監修は宮澤賢史氏
この「毒飯」や子供が「受かるメシ」などをまとめた「子供が天才になる食事」という書籍をKADOKAWAから発売される背景を元に投稿された記事です。この「子供が天才になる食事」は現在もオンラインストアや書店で販売されています。
この本の気になる著者は「菊池 洋匡」, 「菊池 則公」の2人、そして監修しているのが「宮澤 賢史」という人ですが、まず菊池洋匡さんは自分の公式ブログをアメブロで運営しており、「勉強のやり方から教える塾『伸学会』代表」とプロフィールに書いてあります。
またブログには菊池 洋匡が教員の一人として運営している子供の学習塾「伸学会」のリンクがあり、主に個人指導の中学受験専門塾の公式ページへと繋がっています。
興味深いのは、この伸学会のページではレタスクラブで掲載された「毒飯」、「受かるメシ」についての記事がまだ掲載されている事でしょうか。
発行された本の他にも「毒飯」などの単語を多用した記事を学習塾のトップページからアクセスすることができます。
また第一人者の菊池 洋匡氏は自分のツイッターでこのように発表しています。
唐揚げに文句言ってる人は本読まずに言ってるんだろうなぁ。
毒は一切食べちゃダメだなんて書いてないのに。
多くの人は毒だってわかってても美味しいから・好きだからお酒飲むんだよ。通風だから自分の身体に悪いってわかっててウニやカキ食べちゃう人もいるし。
大事なのは毒との付き合い方だよね。— 菊池洋匡 (@kikuchihirotada) September 19, 2020
このツイートについては「でもあくまで『毒』なのね」と返信が見られます。
菊池則公氏は「栄養学イノベーションコミュニティ代表管理者」という肩書を持っており、フェイスブックを中心に活動しています。東京衛生学園専門学校はりきゅう学科卒で、本の紹介ページによると
東洋医学の視点と分子栄養学の視点を組み合わせ、ロジカルに汎用性を持たせた施術法の開発に努める。(引用:https://yomipo.yomiuri.co.jp/present/detail/3421)
「ロジカル」という何とも皮肉な言葉が用いられています。
菊池則公氏はこの度の「毒飯」騒動ではとくにコメントを発表していません。
「子供が天才になる食事」の本を監修した宮澤賢史氏は何と医学博士。同じ引用先から彼の情報を持ってくると、
医師・医学博士、医科歯科連携診療普及協会理事長、臨床分子栄養学研究会理事長、医科歯科連携診療普及協会会長
東京医科大学医学部卒。2004年から栄養療法を開始。がんから糖尿病、リウマチ、精神疾患まで扱う範囲は幅広く、患者数は2万人を超える。現在、治療のかたわら、分子栄養学実践講座主宰。(引用:https://yomipo.yomiuri.co.jp/present/detail/3421)
と書いてあるのでもはや医師という立場を持つ人も信用できない世の中になってきています。
「唐揚げ=毒飯」の犯人は監修していたこの医者な訳ね。https://t.co/Pe85Ljxrje
まったく、こんなしょうもない医者が多くて嫌になるね。
— 日本焼き鳥と野鳥の会 (@gookygoo) September 20, 2020
この度のレタスクラブ炎上についてはレタスクラブにも責任があるものの、肝心の情報発信者の責任も問われるべきと国民の間では声が広まっています。
疑似科学をどうとうと真実として掲載したことが問題なんだけど、それを唐揚げを否定したことにすり変わってる。これ、KADOKAWAが出版した本の漫画化だから、内容を否定することができないんだ。
問題だと思う人は著者である、菊池洋匡、菊池則公、宮澤賢史を直接批判した方がいい。 https://t.co/8tEnjhBPDo— 杉 (@SugiShine) September 19, 2020
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毒メシ・毒飯でレタスクラブ炎上、本の著者と監修者まとめ
唐揚げを「毒飯」「毒メシ」とカテゴライズしたレタスクラブが炎上の末、記事を削除して謝罪文をツイートしましたが、削除された記事の元となる「子どもが天才になる食事 2週間で脳が生まれ変わり成績アップ! 」の本やその著者、監修者へはあまり目が向けられていません。
著者は中学受験専用の学習塾を運営したり、また監修は医学博士でもある背景もあることから、今後はさらに消費者や情報にさらされる国民・人々のリテラシーとクリティカルシンキング能力がどんどん問われてくる時代となってきました。
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