同じコートを何度も着ていると、裏地がある場合は最も動かされる脇や腕の付け根部分が真っ先にほつれて破れてきます。
同じく背中の真ん中を背骨に沿う形で縫いとめられていた状態も糸が次第に弱っていき裏地が破れてしまう個所となります。
裏地が破れたりほつれたりすると外出時にレストランなどの屋内に入った時、コートを脱ぐのが恥ずかしくなってしまいます。
今回は修繕屋に持っていかなくても自宅でできるコート裏地の破れ部分の直し方を紹介します。
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裏地の破れがあるとコートやジャケットも痛む
コートの裏地は表の生地よりも薄く、摩擦の少ないもので作られているのでその分脆く、破れやすくなってしまいます。
多少の摩擦が起こってもあまり傷まない素材を使っていたとしても、毎シーズン愛用するコートがあれば負荷がかかる場所は必ず弱ってきてしまい、遅かれ早かれ破れてしまいます。
もし破れに気付かないで同じコートを着続けると、今まで裏地が吸収していたダメージがコートに直接行くので修繕して元通りに復元することが限りなく不可能になってしまうのです。
そうした理由からコートの裏地の状態を毎シーズンチェックし、破れやほつれがある場合は実際に着る前に自分で修繕するのが一番です。
一度治してしまえばまた何年も愛用のコートを着れるようになるので、失敗を怖がらずに是非破れがあったら直せるようになりましょう。
裏地を使いすぎてしまった場合は「裏地全体を取り換える」方法もあります。
コート裏地の作り方と付け方の記事で詳しく解説しているので、是非チェックしてみてください。
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コートの裏地の破れは簡単に直すことができる
裏地が破れてしまった場合は、その破れ具合や大きさによりそれぞれ違った直し方があります。
裏地の糸が切れて縫い目が破れてしまった場合
この破れを直すのは比較的簡単で、裏地の「どんでん返し」を行わなくても元通り縫い目に沿って手縫いやミシンで直すことが可能です。
使う糸は裏地の記事と同じ色を使いましょう。
まずは裁縫や手芸用の丸ピンを使い、糸が切れて破けてしまった個所を元通りにしたい形にしたら丁寧に留めていきます。
丸ピン留めは手で縫いなおす時もミシンを使う場合も生地がずれないように固定するために必要なので、裏地が破れた個所が大きければ大きいほどピンの数を増やして裏地がずれた状態で仕上がらないように注意しましょう。
糸がほつれた個所や破れ目の生地をコートとの間に入るようにずらしたら、今まで塗ってあった場所よりも裏地の面が数ミリ狭まるようにピンを留め裏地と同じ色の糸を使って、裏地の裏がわ(コートと挟まれる空間)から糸の最後が玉結びされた状態なのを確認してから生地に針を通し縫い始めましょう。
縫い代の個所だけに一度通しすくったら、「ほつれ止め」の縫い方で一針ずつ裏地が切られている個所に糸をくるりと巻きつけるようにして縫っていきましょう。
縫って行く時は「半返し縫い」など縫い目を補強してくれる縫い方をすることと、縫い始めと縫い終わりの部分は必ず何度も糸を通すようにして丈夫にしましょう。
裏地の破れた個所は普段からよく動く部分であり弱りやすくまた破れる可能性もあるので、一旦破れ目をふさいだ個所まで行っても縫い始めた点まで戻ってきて往復で補強してあげると破れにくい裏地になります。
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脇の下や腕の付け根など裏地が広く破れてしまった場合
裏地の生地自体がボロボロになり、破れ目を縫うだけではどうにもならない場合はコートの裾部分から裏地を必要な分取ります。
ロングコートの場合は着たまま立ったり座ったりしてもコートに摩擦の負荷がかからないように、もともと裏地は長めにつけられているのです。
コートの一番下の部分は余裕があらかじめある作りになっているので、糸きり縫い目リッパーを生地を傷めないようにしながら必要な分を横にかけて取っていきましょう。
綺麗な裏地生地が手に入るので大きく破けたり縫うだけでは直らない部分を覆い、弱くなる個所を重点的に糸で固めて補強してあげると良いでしょう。
特に裏地のつなぎ目は元の状態よりも丈夫に直した方が破れにくくなります。
まとめ
コートの裏地の破れは自宅で直すことができます。
最も破れやすいのは脇部分の腕の付け根や普段動きが最も集中する箇所となります。
裏地と同じ色の糸を使い、半返し縫いで破れ目をふさいだら縫い始めた個所に戻るよう、往復して補強しましょう。
破れ目が大きかったり、裏地自体がボロボロになってしまった場合はコートの裾から裏地を取り、破れた部分を直しましょう。
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